プロローグ 真面目に肺ガンかもっていう話

奥山さんの話とか『あざけり先生』とか観ると、もう駄目だなって思っちゃうわけですよ、真面目な話。
と言うのも、昨年のRSRFes行ったあたりから、何ヶ月もず〜っと胸(肺)が痛かったんですよ。いくら禁煙しても全然治らない。『胸痛』で色々調べても大抵肺ガンしかでてこないからね。そして僕には気胸経験者の友人が3人ほどて、その話と照らし合わせてもどーも気胸ではないようだし。
もう、完全にこれ肺ガンじゃんって、諦めました。
それからというもの、死んだように生きる毎日です。文字通り『絶望』の日々。部屋も全く片付けない。食べるものもテキトー。なにをしても面白くない。オリラジ観ても全然笑えないし。あ、これは前からか。
だって、死ぬんだから別にどうでもいいだろって思ってました。
以前、友人と青木ヶ原樹海に足を踏み入れた時(未掲載)も友人には黙ってましたけど目的の半分は、なんて言うんですか?『受験生が志望大学を見学に行く感じ』でした。もう笑われるかもしれませんが僕はマジで諦めてたんですよ。
でも諦めてても、なかなか病院には行かなかったんです。
一人暮らしを始めてもう長いんですが、病院なんて今まで一度も行ったことも無くて、面倒くさそうだなって思いがまず先立ってたし、そんなお金も無いし。
しかも、だってどうせ肺ガンだったら診断されても絶望が増すだけじゃないですか。それならあやふやにしておいたほうが気が楽だという考え方もあるんじゃないですか?僕は面と向かって
「肺ガンです」
って言われることが本当に本当に怖かったんです。その瞬間、全てが崩れ落ちる気がするじゃないですか。ただでさえ、『いちりっとるのなみだ』とかそういう病気系のドラマが辛すぎて見れないタイプの人間ですよ僕は。告知のその瞬間を想像するだけでおしっこちびりますよ。
周りには
「あー肺ガンかもなー」
ってあくまで冗談ぽく言いつつ、あくまで「いや、実際はたいしたこと無いんだけどね?」というスタンスで通っていた僕でしたが、あれは完全に演技です。本心超ビクビクです。死の恐怖に本気で怯え、自分の運命と現実の残酷さを呪い、何度枕を濡らした夜を過ごしたことかわかりません。これは死と向き合った人にしかわからないと思います。
でも、そろそろ演技にもほころびが出始めてきたんでしょうね。周りの人たちも言うようになってきたんです。
「病院に行け」と。
いや、君らはいいよな他人事だから。肺ガンって診断されるこっちの身にもなれ超怖いんだよコンチクショーが!!
でも上司までもが
「病院、付いていってあげようか?」
と言い出したところで、僕も決断しました。言葉では
「いや、絶対なんでもないですから!もー、分かりましたよ。じゃあ行ってきますよー病院。絶対何でもないのに皆心配性だなーハハハ」
と言いつつも、内心、ついに自分の『死』と向き合う決意を固めたのです。ようやく。
それは胸痛が始まってから4ヶ月目のことでした。