世界で一番不味いお菓子を探して。

不味いお菓子ってなにか知ってる?
不味い料理は沢山あるけど、不味いお菓子って思いつきますか?
ちなみに、flambergeは、子供の頃から果物が主食だった(家業)からか、かりんとうとかピーナッツとか、ポテトチップスとかの乾きものがあまり好きではありません。そういやカップ麺も食わないなー。
でも、それにしたって不味いってほどじゃないです。
今日は、今までflambergeが食べた食べ物の中でも、最も不味かったお菓子の話を。

flambergeは、10年ほど前、事務所の関係でフィンランドへ旅行に行ったことがあります。
いやー、フィンランドは凄かったです。ムーミンが生まれるわけです。とにかく、さすが外国だけあって何でもでかくて。よく、壁とかにある電気のスイッチですらでかくて。湿布くらいの大きさしてました。これほんと。すんごい親切設計よね。
あと、世界で二番目にでかい客船にも乗ったんですけど、中に街がありましたよ。これほんと。まだ子供だったからよくわからなかったけど、カジノがあってヴァイキングみたいな人達が悪巧みしてた。
ヴァイキングといえば、マガジンでやってるヴィンランド・サガですけど、ジュンク堂幸村誠のサイン色紙があって、「血反吐はくまで頑張ります」って書いてました。そんなにきついのか、漫画家!ちなみに「プラネテス」は、flambergeのとても好きな漫画で、幸村誠さんのカバーイラストが目を引いた「第六大陸」という小説も、とても健全なSFといった感じで、読んだら、自分の中の汚い「膿」みたいなのが取れた気がするほど爽快な読後感で凄く面白いんですけど、こここらへんの話はまたの機会に)
まあ、その客船で食べた朝食のブロッコリーはとっても新鮮で、生きた青虫がたくさんくっついてるほどとっても新鮮で、友達の何人かは気づかず食べちゃったほどとっても新鮮だったんだけど、これはとっても新鮮なだけで不味いお菓子ではない。旅行中、日本人だからと、気遣ってくれて出てきたご飯料理はすべてすべからくタイ米で出来ていたけど、食えないほどじゃなかったです。
肉は美味かったです。よく食べさせられたけど、そのせいなのか、この旅行中flambergeの太ももの無駄毛の伸びる速度が尋常じゃなかった。
やっぱりムーミンはとても面白いわけで、そういえば、あの伝説の番組「水曜どうでしょう」の北欧の旅にもムーミン親子が出てきていたなあ、大泉洋が握手したサンタさんに僕らも北極圏を越えて握手したけど、マジで手がでかかったなあ。北極圏のラインのところには、立て札で世界の首都の名が書いてあるのだけれど、東京は「TOKIO」と書かれていました。いや、たしかにTOKIOもそっちのほうにいるだろうけどさ。そして、我が友達よ。なぜわざわざフィンランドボン・ジョヴィを買うのですか?
フィンランド人はまじで一家にひとつサウナを持っていて、一緒に入らされたけどまだ子供の僕達にはただの拷問だったし、あいつら、どういうわけか日本人の方が英語できると思ってやがって(フィンランドも第一外国語で英語を習っている)、英語で、是非英語を教えてくれとか言われても、いや、あんたらのほうが上手いからってのすら英語で言えない僕達にいったい何を教えろと。どうやら事前に旅行会社のスタッフから、日本人はテーブルマナーとかできませんって教えられたらしくて、英語で「私達はぜんぜん貴方達のテーブルマナーは気にしません。どんな食べ方でもOKです!」みたいなこと言われたら、恥ずかしがりやの日本人の僕達には逆にプレッシャーなんですけどみたいな。
とにかく楽しい旅行でしたね。

そろそろ本題に入ると、今でこそ、普通に売ってるキシリトール入りのガムは、当時まだ出てなかったんだけど、フィンランドでは本当に、飯食ったあとキシリトールガムを噛む習慣があって虫歯がほんと少ないらしいってのもこの旅行中に知りました。こんだけ日本で流行るならあの時、大量に輸入してキシリトールガムの草分け的になりたかったです。と、聞くところによると、その、キシリトールガムくらいフィンランドの子供達に普及してるお菓子があるって、魔女の宅急便のトンボにマジでクリソツな子供が言うんで、見せてもらったら、まあ、それが本題のお菓子なんだけど、あれを輸入しなくて本当に良かった、英断だったと思うんだけれど、
なんていうか、見た目は「小さく丸めたタイヤのゴム」って感じで…。あれ?そんなに普及してる人気のお菓子にしてはおいしくなさそうだな、と思ったんだけど皆おいしそうに次から次へと食べてるし、「見た目より中身」とか、「眼鏡をとったら実は可愛かった」とか、「残り物には福がある」とか「良薬口に苦し」って言うから、食べてみたんです。「郷に入っては郷に従え」ですよ。
…いや、びっくりしました。ほんと、なんかおかしいんですよ。これすっげー!すっげーまじー!それはまじで、例えるなら、まさしくそれはコールタールの味!!まじでまじーの、これまじまじー。まじまじまじまじ。
いや、もちろんコールタールなんて、食べたことも飲んだこともないけど、他に形容しようがないその不味さ。簡単に吐くよ。簡単に血反吐はくよ。子供達に悪いから影で吐き出したよ。苦いでも、辛いでも、渋いでもない、「不味い」!ていうか、おかしい!これお菓子って絶対おかしい!食感もまさに硬いゴムそのもので、なんつーかアスファルトとゴムを混ぜてもそれは絶対に食べ物じゃないわけで、お菓子ってーのは、あれか?一種の比喩かなにかか?みたいな。アメコミか!?(?)と。

すんげーびっくりしました。外人って、ほんとにここまで遠い存在なのかと。そんぐらい思いました。

あれから10年経ちますけど、あれほど不味いお菓子には出会ったことはありません。原材料すら不明です。それを彼らに聞いたらまた食べさせられるんじゃないかという不安から、旅行中、だれもそのお菓子の話題は出さなかった。むしろ、本当に原油からできてるんじゃないかと思う。ガソリン作ったー、アスファルト作ったー、タイヤ作ったー、残りカスどうするー?んじゃお菓子にしよー!ほんと理解できません。
名前も忘れたけど、あれは、いったいなんだったんだろう。「水曜どうでしょう」で、是非あのお菓子を食べてほしかったな。きっと大泉洋は素晴らしいリアクションをとっただろう。
今、Googleで軽く検索したけど、美味しそうなお菓子しか出てこない。
もしかして、ドッキリだったんだろうかと、今では本気で考えてます。フィンランディアンジョークの一種。ギャグセンスを理解し切れなかったと思うほうがまだ現実味がある、あの黒いお菓子。環境破壊だとか、癌、そんな単語しか連想されない、あの黒いお菓子。
…なにか知ってる人いたら教えてください。

話は長くなりましたが、フィンランドはとても、とても良いところでした。今思い出しても、本当に素晴らしい思い出ばかり。
ありがとう、ありがとうフィンランド